横浜市旭区にあるよこはま動物園ズーラシアに、長男くらげ・次男くらげ・母さんくらげと家族全員で行ってきました。東京ドーム約10個分という広さで、正直「障がい児連れで一日もつかな」と思っていたのですが、結果から言うと入園料も園内バスも手帳で全額免除になり、園路もほぼ全域が舗装で、想像していたよりずっと連れて行きやすい動物園でした。一方で、駐車場だけは割引がありません。この「効くところ・効かないところ」を、実際に払った金額ベースで整理しておきます。詳細はズーラシア公式サイトもあわせてご確認ください。
【基本情報】
施設名:よこはま動物園ズーラシア
所在地:神奈川県横浜市旭区上白根町1175-1
開園時間:9:30〜16:30(入園は16:00まで)
休園日:毎週火曜日(祝日の場合は開園し翌日休園)、12/29〜1/1
入場料:一般800円/中人・高校生300円/小・中学生200円/小学生未満は無料
駐車場料金:普通車1日1回1,000円(障がい者割引・シニア割引なし)
所要時間の目安:休憩や食事を除いて3〜4時間程度
お勧め度
- 障がい者割引:★★★★★
- スタッフさん:★★★☆★
- 楽しさ:★★★★★
- バリアフリー:★★★★★
(⭐基準はこのブログについてをご参照ください)
27年ぶりのズーラシア、やっとオカピの全身が見られました
実はズーラシア、オープンしたての頃に一度来ています。1999年の開園なので、もう27年近く前です。確か夏で、とにかく暑かったのを覚えています。園内をちゃんと回れた記憶もありません。
当時いちばんの話題はオカピでした。日本で最初にオカピが飼育展示されたのがズーラシアで、当時は日本でここでしか見られない動物だったんですね。ところが、その貴重なオカピが人混みの向こうにちらっと見えたと思ったら、木の陰か何かに入ってしまって、結局お尻しか見られませんでした。「お尻だけの人気者」という、よく分からない印象だけが残って、それ以来オカピがどういう生き物なのか調べることもないまま、27年が過ぎました。
そして今回、ようやくオカピの全身を見ることができました。今は何頭かいるようで、じっくり眺めることができます。ちなみに現在、日本国内でオカピが見られるのは、ズーラシアと横浜市立金沢動物園の2園だけとされています(少し前の資料では上野動物園を含めて3園としているものもあります)。世界三大珍獣のひとつなので、これだけでも来る価値がある動物です。
全身を見て最初に思ったのは、「これ、ドラえもんで見たやつだ」でした。『のび太の日本誕生』で、のび太が動物の遺伝子アンプルとクローニングエッグを使って、いろんな動物を掛け合わせた架空の生き物を作る場面がありますよね。あれで生まれてきそうな見た目なんです。顔と体はウマっぽいのに、脚だけシマウマの縞模様。実在の動物なのに、誰かが適当に組み合わせて作ったようにしか見えません。逆に言えば、お尻しか見られなかった27年前は、この縞模様の部分しか目に入っていなかったわけです。「シマウマの仲間か何かかな」で終わってしまったのも無理はないなと思いました。
27年越しでリベンジできたというだけで、個人的にはもう来た甲斐がありました。

27年前とは、そもそも広さが違いました
もうひとつ、来てみて驚いたのが園の広さです。「こんなに広かったっけ」と思って調べてみたら、記憶違いではありませんでした。
ズーラシアは1999年4月に第1次開園という形でオープンした動物園で、そこから段階的にエリアを広げてきました。開園当初は「アジアの熱帯林」「亜寒帯の森」「オセアニアの草原」「中央アジアの高地」「日本の山里」「アマゾンの密林」の6ゾーンだけ。ズーラシアの公式ブログにも、開園当初は今の半分くらいの広さだった、と書かれています。
その後、2002年に「わんぱくの森」とアマゾンの密林ゾーン拡張エリアの「わくわく広場」、2003年に「アフリカの熱帯雨林」の一部、2007年に「ぱかぱか広場」、2009年に「チンパンジーの森」と広がり続け、2015年4月22日の「アフリカのサバンナ」全面開園で、ようやく全エリアがそろいました。16年かけて完成した動物園なんですね。現在の敷地面積は約53.3ha、東京ドーム約10個分で国内最大級です。
つまり、27年前に父さんくらげが見たのは、今のズーラシアのおよそ半分だったということになります。人気のキリンやライオンがいる「アフリカのサバンナ」も、遊具のある広場も、当時はまだ存在していませんでした。「昔行ったからいいや」と思っている方がいたら、それはもう別の動物園だと思って行き直す価値があります。
入園料は療育手帳で家族全員無料でした
ズーラシアの入園料は一般800円ですが、障がい者手帳をお持ちの方1名につき、本人と介護者2名までが全額免除になります。対象になるのは身体障害者手帳・療育手帳(愛の手帳を含む)・精神障害者保健福祉手帳・被爆者手帳・戦傷者手帳です。券売所で手帳を提示すると入園券を受け取れる形で、ミライロIDも使えます。
くらげ家の場合、長男くらげの療育手帳で、長男+介護者2名(父さんくらげ・母さんくらげ)の3人が無料。次男くらげは小学生未満なのでもともと無料です。つまり家族4人で入園料は0円でした。
この日は土曜日だったのですが、ズーラシアは毎週土曜日は小・中・高校生が無料(要学生証)というルールもあります。次男くらげが小学生になっても、平日で200円、土曜なら0円です。
駐車場は1,000円、障がい者割引はありません
ここが今回いちばん「なるほど」と思ったポイントです。入園があれだけ手厚く免除になる一方で、駐車場料金には障がい者割引がありません。公式サイトのよくある質問にも、駐車料金の割引はない旨がはっきり書かれています。普通車1日1回1,000円で、2,200台停められます。
平塚市総合公園のように「手帳提示で半額」という運用に慣れていると、ここは少し面食らうかもしれません。同じ横浜市緑の協会が管理している金沢動物園には駐車場の減免制度があるので、同じ協会の園でも駐車場の扱いは違う、と考えておくのが安全です。
実用的な話をひとつ。この日、手持ちの現金があまりなくて少し焦ったのですが、ズーラシアの駐車場はクレジットカードと交通系ICが使えます(Visa、JCB、Mastercard、AMERICAN EXPRESS、Diners Club)。入園券の券売機・窓口案内所もクレジットカードに対応しているので、現金をほとんど持たずに行っても問題ありませんでした。子連れだと「現金を下ろす時間」がそもそも取れなかったりするので、これは地味に助かります。
園内バスも手帳で無料。これがかなり効きます
ズーラシアは正門から北門まで、直通の近道のような通路がありません。動物を見ながら進むと結構な距離で、正門と北門の間はおよそ2kmあるとのことでした。北門まで行って、また動物を見ながら歩いて戻る、というのは子連れだとかなりしんどいです。
そこで頼りになるのが園内バスです。「ズッピ」と「サバンナ号」の2種類が走っていて、通常料金は1回乗車券で大人(中学生以上)200円、小学生100円。この園内バスも、手帳の提示で本人と介護者2名まで全額免除になります。
入園のときに受け取ったチケットを見せるだけで、こちらから「障がい者です」と説明する必要はありませんでした。よく見るとごく小さく「養護」と印字されているのですが、本当に小さく、言われて探さないと気づかないレベルです。「割引」「減免」といった分かりやすい表示は出ていません。おそらく、ズーラシアの職員さんが見れば分かるようになっているのだと思います。周りに分かってしまう気まずさもなく、この配慮はよく考えられているなと思いました。
くらげ家は、正門から入って北門まで見て回り、北門から園内バスで正門の駐車場側に戻るという流れで使いました。乗車時間は7分ほど。ゆっくり走るバスで、途中に解説のアナウンスもあって、これはこれで楽しい時間でした。
広い園内を、疲れたタイミングでバスに乗って移動できるかどうかは、障がい児連れにとってはかなり大きいです。「歩けなくなったら乗ればいい」という逃げ道があるだけで、一日の組み立てが楽になります。ズッピは車いす2台の乗車にも対応しています。
動物だけじゃない、遊具のある広場が3か所あります
ズーラシアの良さは、動物を見るだけで終わらないところです。園内には公園のような遊具エリアが3か所あります。
- わくわく広場(アマゾンの密林ゾーン/正門寄り):オカピのすべり台や砂場、大きな複合遊具があります。園内で一番混み合う場所とも言われるエリアです
- サバンナのあそび場(アフリカのサバンナゾーン/北門寄り):大型のアスレチック遊具がある広場。2015年の全面開園でできた、いちばん新しいエリアです
- みんなのはらっぱ(噴水口=出口のそば):芝生の広場に複合遊具があります。帰り際に遊んでいく子が多い場所です
くらげ家が実際に遊んだのは、わくわく広場とサバンナのあそび場の2か所です。正門から入って北門へ抜けるルートだと、この2つはちょうど前半と後半に配置されている形になります。みんなのはらっぱは出口のすぐそばなので、園内バスで正門側に戻ってそのまま駐車場へ向かうと通り過ぎてしまいました。
大きな滑り台や、ロープを掴んでレールを滑っていくターザンロープのような遊具など、アスレチックでよく見る人気の遊具が揃っています。
ここは「インクルーシブ遊具」といった形で特別に謳われている施設ではありません。ただ、実際に子どもたちを遊ばせてみると、障がいのある子でも十分遊びやすい作りになっているなという印象を受けました。平塚市総合公園の「みんなの広場」のように明確にインクルーシブを掲げているわけではないぶん期待していなかったのですが、これは嬉しい誤算でした。
ちなみに、このうちわくわく広場は2002年、サバンナのあそび場は2015年にできたエリアです。27年前に来たときには、遊具のある広場はまだ一つもなかったことになります。
動物を見て歩き疲れたところで遊具で発散できるので、「動物にあまり興味がない子」も連れて行きやすいと思います。
このほか、動物のレプリカが並ぶころころ広場や、馬とふれあえるぱかぱか広場もあります。こちらは遊具というより、休憩やお弁当、ふれあい体験のためのエリアです。


実際に見てきた動物たち
オカピ以外にも、印象に残った動物を何頭か紹介します。ズーラシアは「見たことがない動物」がとにかく多くて、名前を知らないまま「なんだこれ」と眺めているだけでも楽しい動物園でした。
オウギバト
頭にレースのような冠羽を広げた、青みがかった大きな鳥です。ハトの仲間では世界最大級で、ニワトリくらいの大きさがあります。柵のすぐ近くをゆっくり歩いてくれたので、間近でじっくり見ることができました。
動きがゆっくりで、急に飛んだり大きな音を立てたりしないので、音や動きに敏感なお子さんでも落ち着いて見ていられる動物だと思います。

ゴールデンターキン
「中央アジアの高地」ゾーンにいる、金色の長い毛をまとったウシの仲間です。横に張り出してカーブする角が特徴で、岩場に堂々と立っている姿はかなりの迫力でした。
正直に言うと、見た瞬間は名前も種類も分からず「なんだろうこれは」と思いながら撮った1枚です。中国の山岳地帯にすむ動物で、日本で見られる場所はかなり限られています。

ライオン
木がたくさん生えた林の中で、メスのライオンがのんびり寝そべっていました。ズーラシアには「アジアの熱帯林」ゾーンのインドライオンと、「アフリカのサバンナ」ゾーンのライオンの2か所にライオンがいます。インドライオンは世界に約300頭しかいないと言われる希少種です。

スマトラトラ
ズーラシアのトラはスマトラトラです。トラの仲間では最も小型の亜種で、インドネシアのスマトラ島にだけ生息している絶滅危惧種です。水辺のある展示場で、ちょうど水際を歩いているところが見られました。

ズーラシアは約100種の動物を飼育していて、名前を知らない動物にたくさん出会えます。「動物の名前を全部覚えなきゃ」と気負わずに、気になったものだけ立ち止まって見るくらいの気持ちで回るのが、この広さにはちょうどいいと思いました。
車いす・ベビーカーで、ほぼ全部まわれます
園路は全域が舗装されていて、勾配も一定に抑えられています。実際に歩いてみて、車いすで通るのに困るような場所はほとんどありませんでした。
一部、階段を上らないと見られない展示もあるにはあるのですが、そこはメジャーな動物のところではなく、「これが見られないと来た意味がない」というレベルの場所ではないという印象です。ほとんどのエリアは車いすでまわりきれると思って大丈夫だと思います。
人気のホッキョクグマのエリアには、階段を上って上から見下ろす観覧場所があります。ここは階段だけかと思ったのですが、エレベーターが設置されているので、車いすやベビーカーのままでも上がれます。人気のあるエリアにきちんとエレベーターが用意されているあたり、後づけではなく最初から考えられている感じがしました。
設備面も充実していて、園内のトイレはすべて車いす対応(うちオストメイト対応10か所)、おむつ交換台は全トイレに設置。授乳スペースは正門横のコインロッカー室、アマゾンセンター、ころこロッジ、サバンナテラス、北門の5か所にあります。車いすは無料、ベビーカーは600円でレンタルもできます。
食事は手ぶらでも大丈夫。所要時間は4時間くらい
園内にはレストランや売店が点在していて、ジュースやおやつも途中で買えます。お弁当を持って行かなくても、手ぶらで問題ありません。持ち込みたい場合も、オージーヒル前・みんなのはらっぱ・ころころ広場に芝生の広場があるので、そこで広げられます(イベント開催時は使えないことがあります)。
感覚過敏があったり食べられるものが限られているお子さんだと、「持ち込みができるか」「買えるか」の両方に選択肢があるのは安心材料だと思います。
所要時間ですが、細かいところまで全部は見きれていないと思うのですが、それでもひととおり見終わるまでに4時間ほどかかりました。休憩をはさんで遊具でも遊んで、子どもも大人も元気であれば、開園から閉園まで一日いられる施設だと思います。
行くなら秋口がおすすめ、真夏はきついかも
今回行ったのは9月上旬で、涼しくてかなり回りやすかったです。途中で小雨が降ったのですが、びしょ濡れになるほどでもなく、むしろちょうどよく過ごせました。
逆に言うと、最近の暑さで真夏に行くと、4時間かけて全部回るのは相当きついと思います。27年前に来たときが夏で、暑さでほとんど回れなかったのも、たぶんそういうことだったのだと思います。日陰は多い園ですが、それでも距離が距離です。
体温調節が苦手なお子さんを連れて行く場合はなおさらで、涼しくなってきた秋口を狙うのが一番だと思います。夏に行くなら、園内バスを積極的に使って距離を削るのが現実的です。
スタッフさんの対応について
券売所でも園内バスでも、スタッフさんの対応は普通に良かったです。特別に何か感動するようなことがあったわけではありませんが、手続きで困ることも、嫌な思いをすることもありませんでした。可もなく不可もなく、気持ちよく過ごせたという意味で十分だと思います。
蚊が多いです。特に足元をやられます
これは声を大にして書いておきたいのですが、ズーラシアは蚊が多いです。もともと雑木林だった土地を活かした動物園で、園内は木と緑だらけ。動物の生息環境を再現しているぶん、当然といえば当然です。
父さんくらげは何も考えずに半袖・半ズボン・サンダルで行きました。結果どうなったかというと、やられたのは足元ばかりです。ふくらはぎから下を刺されまくって痒すぎました。逆に、上半身は半袖だったのにほとんど刺されていません。
なので、対策の優先順位ははっきりしています。足元を守ってください。長ズボン・靴下・靴の3点セットです。サンダルは避けたほうがいいです。上は半袖でもそこまで問題ありませんでしたが、虫除けスプレーを持って行くなら足元に多めに使うのが正解だと思います。
特に、痒みをうまく伝えられないお子さんや、刺されたところを掻きむしってしまうお子さんを連れて行く場合は、服装で物理的に防いでおくのが一番確実です。ベビーカーや車いすに座っていると足元は動かせないので、なおさら狙われます。楽しい一日の後に、帰ってから痒みで大変なことになるのはもったいないです。
まとめ
ズーラシアを障がい児連れ視点でまとめると、こうなります。
- 入園料:手帳提示で本人+介護者2名まで無料。くらげ家は4人で0円
- 園内バス:こちらも手帳で無料。正門〜北門は約2km、乗れば約7分
- 駐車場:1,000円で割引なし。ここだけは覚悟して行く(カード可)
- バリアフリー:園路は全域舗装。ホッキョクグマの観覧デッキにもエレベーターあり
- 遊具エリア:遊具のある広場が3か所。動物に飽きても遊べる
- ベストシーズン:秋口。真夏は距離的にきつい
- 服装:蚊が多い。足元をやられるので長ズボン・靴下・靴で
結果として、この日かかったお金は駐車場の1,000円だけでした。国内最大級の動物園に家族4人で一日遊んで1,000円というのは、正直かなり良いと思います。そもそもの料金設定自体が安く抑えられているので、割引を使えない方でも十分お得な施設です。
27年ぶりに来て、やっとオカピの全身を見て、子どもたちが遊具で走り回って、帰りはバスの解説を聞きながら戻る。湘南・横浜エリアで障がい児連れで出かけられる場所を探している方には、自信を持っておすすめできるスポットでした。
施設の詳細はズーラシア公式サイトもあわせてご確認ください。料金や減免の内容は変更されることがあるので、お出かけ前に最新情報のご確認をおすすめします。
くらげ父さん、今日も漂流中🪼

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