障害児福祉手当とは?特別児童扶養手当との違いを整理してみた

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障害児育児をしていると、「特別児童扶養手当」「障害児福祉手当」「特別障害者手当」と、似たような名前の手当がいくつも出てきて混乱しますよね。今回は「障害児福祉手当」について、調べたことをまとめておきます。

障害児福祉手当ってどんな制度?

障害児福祉手当は、国の制度で、精神または身体に重度の障害があるため、日常生活で常時の介護を必要とする、在宅の20歳未満の児童本人に対して支給される手当です。

これまで紹介してきた「特別児童扶養手当」は、障害児を養育する父母等(保護者)に対して支給される手当でした。一方で障害児福祉手当は、支給対象が児童本人という点が大きな違いです。また、特別児童扶養手当が「中度以上」の障害を対象にしているのに対し、障害児福祉手当は「重度」に限定されている点も異なります。

手当額は月額16,560円(令和8年度・2026年4月から適用)で、支給は年4回(2月・5月・8月・11月)、それぞれ前月分までがまとめて振り込まれます。

認定基準は自治体によって違う?

結論から言うと、認定基準そのものは全国共通で、自治体による差はありません。

障害児福祉手当は国の制度で、「障害児福祉手当及び特別障害者手当の障害程度認定基準について」という厚生労働省の通知に基づいて審査されており、この基準は全国一律です。窓口が市区町村や都道府県になるため手続き面での多少の差(オンライン申請の可否など)はありますが、「何をもって重度とするか」という基準自体は全国どこでも同じです。

療育手帳を持っていれば自動的にもらえるの?

ここが一番混乱しやすいポイントですが、療育手帳を持っているだけでは対象になりません。療育手帳の等級とは別に、障害児福祉手当専用の診断書(日常生活能力の程度などを記載するもの)で個別に審査されます。

調べた範囲では、療育手帳の等級がA1・A2(最重度〜重度相当)であっても、それだけで自動的に認定されるわけではなく、身体障害者手帳(1・2級相当)が別途必要になるケースがあるようです。このあたりは知的障害と身体障害の重複具合によって判断が変わってくる部分なので、正確なところはお住まいの自治体の障害福祉窓口で確認するのが確実です。

実際にわが家の長男くらげも、今のところこの「重度」基準には入っておらず、まずは手帳の申請や等級の見直し申請をするところからのスタートになりそうです。

所得の制限

結論から言うと、「何が控除の対象になるか」というルールは、特別児童扶養手当とまったく同じです。役所ごとのページの書き方(項目をまとめて表記するか、1つずつ分けて書くか)が違うだけで、法律上の中身は共通しています。

実際、特別児童扶養手当等の支給に関する法律施行令の第四条にはこうあります。

「令第七条及び第八条の規定は、福祉手当の支給を制限する場合の所得の額及び範囲並びにその額の計算方法について準用する。」

ここでいう「福祉手当」は障害児福祉手当・特別障害者手当のこと。つまり3つの手当は所得限度額の数字こそ違うものの、控除の計算方法は法律上まったく同じものを使い回している、ということです。

障害児福祉手当にも所得制限があります。受給者(申請者)の所得が所得限度額を超える場合や、受給者の配偶者・扶養義務者の所得が所得限度額以上であるときは、手当は支給されません(所得が制限額以下になった年の翌年の8月分から支給されます)。

住民税の課税対象となる所得額(給与所得または公的年金等に係る所得がある場合は、合計金額から10万円を控除した額)から、一定の控除額を差し引いた金額で判断します。この控除項目の内訳(雑損控除・医療費控除・障害者控除・配偶者特別控除・小規模企業共済等掛金控除など)は、特別児童扶養手当の所得制限、自分で計算する方法の控除額表とまったく同じなので、そちらを見ながら自分の所得額を計算してください。iDeCoの掛金も、この控除額表の「小規模企業共済等掛金控除」としてそのまま反映されます。

控除後の所得額が出たら、あとは下の限度額表に照らし合わせるだけです。特別児童扶養手当の限度額表とは金額が異なるので、比較には必ずこちらの数字を使ってください。

◆所得制限限度額表(1月〜6月申請は前々年分、7月〜12月申請は前年分)

下記は令和8年8月1日の改定後の金額です。この改定で「受給資格者本人」分の限度額が約9.7万円引き上げられており、「配偶者及び扶養義務者」分は変更ありません(特別児童扶養手当の限度額は今回の改定の対象外です)。他のサイトで少し低い金額を見かけた場合は、改定前(令和7年分)の数字を見ている可能性があります。

扶養親族の数 本人 配偶者及び扶養義務者
0人 3,758,000円 6,287,000円
1人 4,138,000円 6,536,000円
2人 4,518,000円 6,749,000円
3人 4,898,000円 6,962,000円
4人 5,278,000円 7,175,000円
5人 5,658,000円 7,388,000円

◆限度額に加算されるもの

受給資格者本人の所得

  • 扶養親族等に、同一生計配偶者のうち70歳以上の者または老人扶養親族があるときは、1人につき100,000円
  • 扶養親族等に、特定扶養親族または控除対象扶養親族(19歳未満の者に限る)があるときは、1人につき250,000円

配偶者・扶養義務者の所得(扶養親族等の数が2人以上の場合)

  • 扶養親族等に老人扶養親族があるときは、1人につき(当該老人扶養親族のほかに扶養親族等がないときは、当該老人扶養親族のうち1人を除いた老人扶養親族1人につき)60,000円

iDeCoの拠出限度額引き上げが追い風になるかもしれない

ここでもうひとつ、わが家にとって関係してきそうな話があります。iDeCo(個人型確定拠出年金)の拠出限度額が、2027年から引き上げられることが決まっています(制度上の正式な適用開始は2026年12月分からですが、1ヶ月だけなので実質的には2027年からと考えて差し支えありません)。

  • 企業年金がない会社員の場合:月額2.3万円 → 月額6.2万円

iDeCoの掛金は、先ほどの控除額表(特別児童扶養手当の記事側)にある「小規模企業共済等掛金控除額」として、拠出した金額がそのまま所得から差し引かれます。上限まで拠出した場合で試算すると、

  • 現行:月2.3万円 × 12ヶ月 = 年27.6万円の控除
  • 引き上げ後:月6.2万円 × 12ヶ月 = 年74.4万円の控除
  • 差額:年間で約46.8万円、控除が上乗せできる計算

この46.8万円がそのまま所得額から差し引かれるので、所得制限のボーダーライン上にいる家庭であれば、これだけで基準をクリアできる可能性は十分あります。

ただし、効果が出るタイミングには注意が必要です。手当の所得判定は「前年(1〜6月申請は前々年)の所得」を基準にするため、引き上げ後の掛金を1年間フルに拠出できるのは2027年からになります。つまり、実際に2028年8月からの支給をクリアできる可能性が出てくる、というのが現実的なスケジュール感です。わが家も、手帳・等級の見直しと合わせて、このタイミングでiDeCoの拠出額を引き上げる準備をしてみようと思っています(掛金は60歳まで引き出せない点は踏まえた上での判断です)。

まとめ

整理すると、障害児福祉手当をもらうためには

  1. まず「重度」の基準を満たすこと(療育手帳・身体障害者手帳の等級や、専用診断書での審査)
  2. そのうえで、上記の所得制限をクリアすること

という2段階のハードルがあることになります。わが家はまず1の基準からなので、次のステップとして主治医に手帳の申請や等級の見直し申請について相談してみようと思っています。そのうえで、2の所得制限については、2027年からのiDeCo拠出限度額引き上げをうまく使えば、2028年8月からの支給でちょうどクリアできる可能性が見えてきました。進展があればまた記事にします。

なお、障害児福祉手当は20歳未満が対象なので、20歳になると自動的に「特別障害者手当」(20歳以上の重度障害者本人向けの、ほぼ同じ枠組みの手当)に切り替わります。手当の種類が変わる以上、申請し直しが必要になる点は覚えておきたいところです。

※この記事の内容は調べた時点の情報です。制度は改正されることがあるので、実際の申請にあたっては必ずお住まいの自治体窓口で最新情報をご確認ください。

くらげ父さん、今日も漂流中。

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