特別児童扶養手当の所得制限対策|年68万円を守る、本当に効く方法とよくある誤解

資産形成

特別児童扶養手当の所得制限対策|年68万円を守る、本当に効く方法とよくある誤解

はじめに:1円の差が68万円の差になる現実

くらげ父さんには療育手帳A2の長男くらげがいます。

特別児童扶養手当1級、月56,800円。年間にすると約68万円。

この手当、所得制限を1円でも超えると全額支給停止になります。

例えば、所得制限が500万以上からかかるとした場合:年収459万円の人と500万円の人を比べてみます。同じ障害を抱えた子どもがいて、同じように毎日介護して、同じように仕事をしている。それなのに、給料が少し高いだけで年間68万円も支援額が変わる。

子どもの障害の重さも、日々の大変さも、まったく同じなのに。

国民民主党の玉木さんが数年前、国会で「特別児童扶養手当の所得制限をやめましょう」と訴えていました。YouTubeにも動画があります。頑張れ国民民主党!!

ただ、この問題はなかなか政治的に動きにくい事情があります。一般の人には「なんで手当を上げなきゃいけないの?」と感じる方も多い。当事者は声を上げづらい。そもそも税金や保険って、そういうときのために払っているんじゃないかと思うんですが。

というわけで、制度が変わるのを待つより、合法的に所得を下げる方法を自分なりに研究しました。

正直に言うと、これは悔しさから始まった話です。税金はこれまでもずっと払ってきたし、今も払っています。それなのに、所得が少し高いというだけで手当がもらえない。この理不尽さに納得できず、必死でネットを調べました。でも出てくるのは市町村の制度説明ばかり。FPの方が書いている記事を見ても、せいぜい「iDeCoをやりましょう」で終わっている。本当に知りたかったのは、もらえなくなった今、何ができるのかでした。だから自分で調べて、試して、うまくいった方法をまとめることにしました。

この記事では、実際に効果がある方法だけでなく、「効きそうで効かない」よくある誤解も合わせて整理します。


まず大前提:「所得制限の所得」って何?

対策を考える前に、ここを理解しておかないと全部ムダになります。

特別児童扶養手当の所得制限で使われる「所得」は、税法上の所得です。つまり、収入から各種控除を引いた後の金額のこと。給与収入がそのまま使われるわけではありません。

📌 控除には2種類あります

所得控除
所得そのものを下げる
→ iDeCo(小規模企業共済等掛金控除)、医療費控除、障害者控除など
税額控除
計算された税金から直接引く
→ ふるさと納税、住宅ローン控除など

所得制限の判定に使われるのは「所得控除後の所得」です。つまり、税額控除であるふるさと納税は、いくらやっても所得制限の判定には影響しないのです。この点は後ほど「よくある誤解」として詳しく説明します。

もう一つ大事な注意点があります。特別児童扶養手当の所得制限で使える所得控除は、所得税や住民税の所得控除とまったく同じではありません。生命保険料控除のように、そもそも対象外の控除もあります。そして「扶養控除」や「基礎控除」も、この手当の所得計算からは差し引かれません。代わりに、扶養親族等の人数に応じて「所得制限の基準となる限度額」自体が変わる、という仕組みになっています(後述の「扶養家族を増やす」で詳しく説明します)。ここを混同すると対策の効果を見誤るので、先に知っておいてください。


✅ 本当に効く方法1:iDeCo(個人型確定拠出年金)── これが最強

結論から言います。iDeCoが一番効果的です。

iDeCoの掛け金は全額所得控除。掛けた分だけそのまま所得が減ります。しかも積み立てたお金は運用されて、将来受け取るときまで非課税で増え続けます。

2027年から上限が大幅アップ

現在、企業年金なしの会社員の上限は月23,000円(年27.6万円)です。

これが2027年1月から月62,000円(年74.4万円)に引き上げ予定。約2.7倍になります。

具体的なシミュレーション

所得制限を年60万円オーバーしていて手当がもらえない人がいるとします。

この人がiDeCoを月5万円(年60万円)拠出したとすると:

  • 所得が60万円下がる
  • 所得制限をクリア → 特別児童扶養手当68万円が受給できるようになる
  • iDeCoに積み立てた60万円は運用益が非課税で増える可能性がある

つまり、実質タダで手当をもらいながら、老後資金も増やせる可能性があるんです。

ちなみに私は住宅ローン控除も使っているので、もともと戻ってくる所得税はほとんどありません。だからiDeCoの目的は節税というより、所得そのものを下げて手当の所得制限をクリアすること。そちらの金額インパクトの方がはるかに大きいのです。

iDeCoで所得が下がることで所得税・住民税の節税効果も多少生まれますが、それはおまけ程度。手当68万円を受け取りながら、老後資金まで増える。合法的な錬金術みたいな話です。

くらげ父さんのiDeCo実績

ちなみに私はiDeCoを7年以上続けています。結果、元本の2倍超、利益率110%ほどになりました。もちろん相場によって上下しますし、将来を保証するものではありませんが、長期積立の力は本物だと実感しています。

2027年の上限引き上げを前に、今から始めておく価値は十分あると思います。


✅ 本当に効く方法2:扶養家族を増やす── 意外と知られていない範囲の広さ

扶養家族というと「同居している家族」と思いがちですが、実は別居でもOKです。

条件は「生計を一にしていること」。これの定義が実はかなり広い。元国税調査官の大村大次郎さんの本で初めて知ったのですが、税務署の職員さんは皆さん扶養家族がとても多いそうです。知っているから活用しているんでしょうね。

制度を一番よく知っている税務署の職員さんが皆さん扶養家族が多い、というのが何よりの証拠だと思っています(笑)。これを実施した私たちに突っ込み入れると税務署にお勤めの多くの方も自分たちの首を締めることになりますし。

私は7年以上、別居の母親を扶養に入れています。税務署から何か言われたことは一度もありません。

扶養に入れられる可能性がある人

  • 別居の父・母(年金収入が少ない場合)
  • 祖父・祖母
  • 兄弟姉妹
  • その他一定の親族

年金額が低い親御さんや、収入のない家族がいる方は一度確認してみてください。

⚠️ ここで正確に理解しておきたいのが、扶養家族を増やしたときの効き方です。一般的な「扶養控除」は、実はこの手当の所得計算そのものからは差し引かれません。その代わり、扶養親族等の人数に応じて「所得制限の基準となる限度額」自体が引き上げられる、という仕組みになっています。つまり「自分の所得を下げる」のではなく、「クリアすべきハードル(限度額)の方を上げる」対策です。結果として手当をクリアしやすくなる点は同じですが、メカニズムはiDeCoとは別物なので混同しないようにしてください。

おまけ:別居の障害を持つ親がいる場合

病院への送り迎えなどの介護をしている場合、自動車税の控除ETC高速料金半額の制度が使えることがあります。居住地との距離など条件がありますので、お住まいの自治体に確認してみてください。


✅ 本当に効く方法3:妻(配偶者)を扶養に入れる── 一人社長の賢い使い方

妻は一人社長として事業をしています。

ポイントは、妻自身への役員報酬を出さないこと。利益が出ても会社の中に「内部留保」としてためておいてもらっています(そもそも今は赤字ですが)。

これにより妻の個人所得はゼロになるので、配偶者として扶養に入れることができます。

ここも「扶養家族を増やす」と同じ理屈です。妻の所得がゼロの場合の「配偶者控除」自体は、この手当の所得計算から直接差し引かれる控除ではありません(差し引ける控除としてこの手当の制度上明記されているのは「配偶者特別控除」であり、こちらは対象外です)。効いてくるのは、妻が「扶養親族等」としてカウントされることで、所得制限の限度額(基準額)が引き上げられるという部分です。つまり所得を直接下げるわけではなく、扶養家族を増やす対策と同じく「ハードルを上げる」対策になります。

「会社を経営している社長でも扶養に入れるの?」と思われる方もいるかもしれません。これについては実際に市役所に確認済みです。会社を経営していても、本人の所得が基準以下であれば扶養に入れることは問題ないとのことでした。役員報酬を出さなければ個人所得はゼロなので、配偶者控除の対象になります。

「内部留保」という言葉、よく大企業批判で出てきますが、個人事業主や小規模法人でも使える考え方です。個人の手取りを増やすより、法人に利益をためておく方が、所得制限対策としては理にかなっているケースがあります。


✅ 本当に効く方法4:不動産収益を個人名義で持つ── 上級者向けだけど強力

これはハードルが高いですが、うまくやると非常に強力な対策です。

減価償却や経費で帳簿上マイナスになるような不動産を個人名義で所有・経営します。

なぜ法人ではなく個人名義が必要か?

不動産所得がマイナスになった場合、個人名義であれば給与所得と「損益通算」して差し引けます。法人名義だとこれができません。

例えば不動産所得が年マイナス100万円なら、給与所得から100万円引いた金額が所得制限の判定に使われる所得になります。

重要な注意点

帳簿上の赤字と、実際のキャッシュフローは別の話です。減価償却は実際にお金が出ていくわけではないので、帳簿上は赤字でも手元にお金が残る設計ができます。これが不動産投資の面白いところです。逆に言うと、本当にお金が出ていく赤字になってしまっては意味がないので、購入する物件の選定が非常に重要です。

副業として始めるには勉強と資金が必要ですが、長期的な資産形成と所得制限対策を同時にできる点では最も強力な手段のひとつだと思っています。

応用:利益が出すぎる場合の調整

不動産収益が想定以上に出てしまい、所得制限に引っかかりそうになるケースもあります。ここでのポイントは外部の業者へのサブリースではなく、自分が経営する法人へのサブリースという点です。ただしどこまでやるかの判断は難しく、税務上の取り扱いも複雑になりますので、詳細は税理士さんや専門サイトにご確認いただくのがよいと思います。


🟠 条件付きで効く方法:青色申告特別控除── 黒字化してから効いてくる

不動産所得がある場合、青色申告にすると所得から10万円または55万円を控除できます。

「これも使えるじゃん!」と思っていたのですが、くらげ父さんの現状には落とし穴がありました。

不動産所得がすでにマイナスの場合、この控除は意味がありません。

「マイナスがさらに増えるなら、給与所得からもっと大きく引けてお得じゃないの?」と思いませんでしたか?実はくらげ父さんも最初まったく同じことを考えていました。

ところが違うんです。不動産所得のマイナスは給与所得と損益通算できますが、青色申告特別控除はあくまで不動産所得の中だけで完結する控除です。不動産所得がすでにマイナスの場合、そこからさらに引いても給与所得との通算額は変わりません。私の場合、減価償却と各種経費ですでに不動産所得がマイナスになっているので、青色申告特別控除を使っても結果は同じでした。

さらに、青色申告(複式簿記)をするにはfreeeなどの有料ソフトが必要です。年間コストを考えると、今の私のように不動産所得が赤字のうちはコスト損になります。ClaudeさんとChatGPT両方に相談する中でこの仕組みの違いがわかり、白色申告のままにしました。AIに相談してよかったと思った瞬間です(笑)。

結論:不動産所得が赤字のうちは白色申告のままでOK

ただしこれは「効果がない対策」ではなく、「タイミングによって効果が変わる対策」です。不動産所得が黒字に転じた年からは、その黒字分に控除がそのまま乗るので、所得制限の判定にもはっきり効いてきます。今は不要でも、黒字化したタイミングで使うべき対策として温存しておく、という位置づけです。

おまけ:医療費控除── 合算はできるが効果は限定的

医療費控除も所得控除なので、理屈上は所得制限にそのまま効きます。ポイントは、生計を一にする親族の医療費は同居・別居を問わず合算できることです。たとえば別居の親を扶養に入れている場合、その医療費も合わせて申告できます。

ただし10万円を超えた部分しか控除できず、障害児家庭は自立支援医療(育成医療)や自治体の医療費助成で自己負担自体が圧縮されていることが多いため、実際の効果は限定的なケースが多いです。世帯で合算しても届かないことがある、という前提で考えておくとよいと思います。


❌ よくある誤解:ふるさと納税は所得制限対策にはならない

ふるさと納税は大好きな制度です。返礼品もらえるし、税金は減るし、とてもお得。

ただ、冒頭でも説明したとおり、特別児童扶養手当の所得制限判定には一切影響しません

ふるさと納税は税額控除なので、所得制限の判定に使われる「所得」そのものは1円も下がらないのです。これは所得制限に余裕がある人でも、ギリギリの人でも、関係なく常に成り立ちます。「ふるさと納税を頑張れば所得制限をクリアできる」ということは、絶対にありません。

ふるさと納税の正しい使い方

ここで言う「上限額」は、特別児童扶養手当の所得制限とはまったく別の話です。ふるさと納税には、寄付しても実質2,000円の自己負担で済む「控除上限額」というものがあり、これは自分の住民税額などから決まります。以下はこのふるさと納税の控除上限額を基準にした話です。

ケース1:控除上限額に余裕がある場合
→ 通常通りふるさと納税を活用。お得な制度なのでどんどんやる。
ケース2:控除上限額ギリギリの場合
→ 上限額まではやってOK。ただし超えてさらに寄付しても所得制限クリアにはつながらない。

ふるさと納税は節税・返礼品目当てで大いに活用すべき制度ですが、特別児童扶養手当の所得制限を回避する手段としては、そもそも土俵に乗っていない、という点を混同しないよう注意してください。


全体まとめ

方法 分類 所得制限への効果 難易度 くらげ父さんの実施状況
iDeCo ✅ 本当に効く ◎ 直接所得を下げる 7年以上継続中
扶養家族を増やす ✅ 本当に効く ○ 限度額(基準額)が上がる 低〜中 別居の母を扶養
配偶者を扶養に ✅ 本当に効く ○ 限度額(基準額)が上がる 妻は内部留保で所得ゼロ
不動産(個人名義) ✅ 本当に効く ◎ 損益通算で所得を下げる 実施中
青色申告特別控除 🟠 条件付き ○ 不動産が黒字化してから有効 赤字のため未実施
医療費控除 🟠 条件付き △ 世帯合算で10万円超なら有効 やったが手間の割に効果薄く今は未実施
ふるさと納税 ❌ 誤解 △ 所得制限には無効 節税目的で活用(対策としては無効)

年68万円の手当を守るために、できることはたくさんあります。

どれも難しい話ではなく、制度をちゃんと理解して、使えるものを使う、ただそれだけです。特にiDeCoは2027年に上限が大幅に上がるので、今から準備しておく価値があると思います。

制度が変わることを願いながら、合法的に使える手はすべて使う。それがくらげ父さんの作戦です。

同じ状況の方の参考になれば嬉しいです。


最後に

この記事、我ながら結構なノウハウを詰め込みました。

同じ状況で悩んでいる方に届いてほしい。もし参考になったよという方がいれば、コメントやお問い合わせから一言いただけると励みになります。「読んだよ」だけでも嬉しいです。

どのくらいの方に刺さっているか、純粋に気になっています。

この記事、我ながら有料級の内容だと思っています(笑)。

もしこの記事がきっかけで手当を受けられるようになった方がいれば、Amazonで買い物をする際にぜひこのサイトを「入り口」として使ってください。購入金額はまったく変わらず、くらげ父さんへの応援になります。毎回の買い物前にブックマークからこのサイトを経由してもらえると嬉しいです。子どもの療育費の足しにさせていただきます😊


くらげ父さん、今日も漂流中🪼

※この記事はくらげ父さん個人の体験談・研究をもとにした情報提供です。内容の正確性には気をつけていますが、税制や制度は改正されることがあります。実際に行動される前に、必ずご自身でも調べていただき、詳細は税理士・お住まいの自治体窓口・各制度の公式サイトにてご確認ください。本記事の情報をもとに行動された結果については、自己責任でお願いします。誤った情報等あればお問い合わせ窓口からご指摘お願い致します。

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